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肥満には高血圧の他にどのような健康上の危険性があるのですか?

2020年06月19日
体重計を持っている女性

肥満によって生じる健康上のリスクは、高血圧だけではありません。体重が増加すれば、それを支えている脚の関節にも影響が及びます。人間が歩行している時、膝には体重の2~3倍程度の重さがかかるといわれています。例えば体重60kgの方が歩行している時、膝にかかる荷重は120kgから180kgです。体重が重ければ重いほど、膝には強い負担がかかることになります。このため、肥満の人は変形性膝関節症になってしまう危険性があるのです。

変形性膝関節症の主な原因は軟骨の老化にありますが、肥満や遺伝の影響も大きいとされています。体重が5キロ増加するごとに、変形性膝関節症にかかる危険性が30%以上も増加する、というデータが報告されているのです。

変形性膝関節症の初期症状は、階段などを登る際に膝が痛む、といった形であらわれます。この時点で運動療法を行なったり、減量をするなど適切に対処していれば、進行を遅らせることができるでしょう。何もせず症状を悪化させてしまうと、通常の歩行時にも強い痛みが生じるようになってしまいます。日常生活に支障をきたすほど痛むようになった場合、大がかりな手術が必要となる可能性もあるでしょう。

睡眠時無呼吸症候群も、肥満によって引き起こされやすい健康トラブルの一つです。眠っている最中に気道が塞がってしまい、呼吸ができなくなる症状を指しています。上気道に脂肪が付いてしまうと、空気の通り道が塞がれた状態になり、無呼吸状態となってしまうのです。睡眠時無呼吸症候群になると睡眠の質が低下し、日中に強い眠気を感じたり、集中力や記憶力が低下するといいます。さらに糖尿病や高血圧、そして脳血管疾患になるリスクが1.5倍から4倍ほども高まるといわれているのです。予防のためには適正体重を保つことや、副鼻腔炎など鼻の症状を改善することが大切となります。

肥満によって、聴力低下のリスクも高まるといわれています。太り気味の人や肥満の人は、そうでない人より聴力低下になりやすいということが、研究で明らかになっているのです。肥満の影響で動脈硬化がすすみ、聴覚器官の血流量が低下することで、聴力低下が引き起こされると考えられています。変形性膝関節症や睡眠時無呼吸症候群、そして聴力低下など肥満がもたらすリスクは高血圧以外にも様々とあります。健康を保つためには、適正な体重を維持し続けていくことが非常に大切だといえるでしょう。